タイトルまんま。
去年のいつだかに、コーヒーとのタイアップで零戦や紫電改のミニフィギュアが付いてくるというキャンペーンで知って、今劇場でやってるのを先日知ったので見てきました。
原作は未読で、ぶっちゃけどういう話かも知らない状態で観に行っての感想を書いていきたいと思います。
まず最初に、僕がこのての「戦争映画」を観に行く最大の動機は「戦闘シーンがみたいから」です。
戦闘機や戦艦などの兵器が出てきて、それらが縦横無尽に戦場を駆け回り、戦う姿がみたいからです。
この点映画はいいですよね。「戦争」というテーマを扱っていても所詮は「映画」であり「娯楽」な訳ですから。
トチ狂った残念な人とかは、こういう映画や小説を観て楽しんでいても「戦争が好きなのか」と勘違いするあたり救いようがないですが。
ともかく、大好きな戦闘機が出てきて、しかも空戦シーンもあるというのであればこれは観に行かないと。
という目的で見てきた訳ですが、結果としてこれが大正解だったみたいです。
全体的な流れ、物語そのものも面白かったですが、結局のところ「よくある話」なんですよね。
戦争モノ、特に特攻をメインにした話になると、どうしても同じような話になりがちなんですよね。
これは別に、特攻で戦死された方や、残された遺族の方々を軽視しているという訳ではなく、そういった方々のお話を沢山見聞きした身としては、どうしてもそれは「いつかどこかで、誰かから聞いたお話」になってしまうんです。
高校の修学旅行が九州だったので、知覧にも行きました。
そこで特攻隊の資料館にも行って、見送り続けた方のお話も聞きましたし、図書館で資料も読みました。
それは実際にあったことで、事実なんですよね。
でもこれは結局のところ、戦争や特攻を話に盛り込んだところで「エンターテイメント」でしかないんです。
仮にその出来事そのものが実際にあったことだとして、「エンターテイメント」というフィルターがかかっている以上はそれ以上でもそれ以下でもないんですよね。
観た後に残るのは「面白かったね」「こんなことがあったんだね、感動したよ」というありきたりなものでしかない訳です。
で、僕の場合は後者である「感動した」という点に関しては、既に残された方々の生の声を聴き、自分で調べてる以上既に通過してる点なので何も感じることがないんですね。
同じく「エンターテイメント」として見た時も、結局は今までに特攻や戦争に関する小説、映画、漫画、ドラマを子供の頃から見てきているので、それこそ本当に「よくある話」でしかない訳です。
なので、今まで殆ど戦争や特攻に関しての資料や話に触れたことない人は色々と感じる事も多いかもしれませんが、僕みたいに子供の頃から戦争の体験記や体験談に触れる機会の多かった人間は、実際に経験談を聞くならともかく、エンターテイメントで感動するということは最早皆無なのかなと。
そういった面では、登場する兵器や空戦シーンを目的に観に行ったのは大正解だったと言えます。
勿論、エンターテイメントとしての物語そのものが面白かったというのは事実です。
ただ、物語終盤で周囲からすすり泣く声が聞こえて、温度差を感じたというだけの話です。
感動系(?)の映画を観るたびに思うんですが、こういう時に他の人と違って泣かない自分は冷たい人間なのかなと不安になる時があったりします。
赤城さんがドーントレスに蹂躙されてしまうシーンは辛くて思わず目から汁が出かけましたが……。
結論としては
今までに出てきた戦争、特攻を扱った作品とやってること言ってることは同じ。
見所は空戦シーンと赤城さん、「若い男が好きなんだ」と言って主人公に抱き付く爺さん、終盤のずぶ濡れ幼女と一瞬だけ映る幼女のパンツ。
といったとこでしょうか。
正直空戦シーンや艦船が出てくるシーンは本当によかったです。
あとよく分からなかった点が一つ。
タイトルが「永遠の0」となっていますが、最後までみてどうしてこのタイトルになったのかが全くわかりませんでした。
「永遠」に関しては、「例え死んでも戻ってくる」と言って最終的にその約束を果たした辺りに絡んでるのかなと適当に思ってますが、なぜそこで「0」が出てくるのかが謎です。
現代編の主人公と、その祖父である回想編の主人公、そしてその人が乗り続けるもう一つの主人公とも言える零戦だから、主題に入ってるだけなのか。しかしだとしてもどうしてわざわざ「0」とアラビア数字で表記したのかがわからないんですよね。
原作読めばわかるのかな?
ともかく、以上が「永遠の0」を観た上での感想になります。
全体的な評価としては概ね満足です。テーマとしてはありきたりで感動もしませんが、内容そのものに関しては素直に面白かったと言える作品だと思いますね。