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Heart's と Day's 二つのクローバー



あれから10年が経ちました。


この10年でそこそこエロゲをプレイしました。
その中には「CloverHeart's」と同じかそれ以上に面白い作品はあっても、「御子柴玲亜」を超えるキャラとは未だに出会っていません。

それは、ALcotの10周年記念作である「CloverDay's」をプレイしても同様でした。

今回の記事は、どうして「CloverDay's」は「CloverHeart's」を超えることができなかったのか。
というのを、簡単に書いていきたいと思います。






一般的にエロゲのシナリオというのは、以下のように構成されていると思います。


フローチャートB


基本的には共通パートで選択肢が出てきて、それぞれヒロインごとの個別ルートに入るのが一般的だと思います。
最近だと個別ルートを全て回収し終えたら、物語の核心に迫る最終章が解放されるケースとかもありますね。
今回のCloverDay'sもオーソドックスなこのタイプでした。

ところが、ALcotの処女作「CloverHeart's」では以下のようになっています。

フローチャートA


まず、プロローグの段階で玲亜編か莉織編かの選択肢が出てきます。
それを選んだあとは、完全にどちらか一方のルートに固定されて、そのルート中の選択肢で更に分岐が決定される仕組みです。

どうしてこのような分岐になっているかというと、そもそもCloverHeart'sという作品の主人公が双子の兄弟だからです。
玲亜編では白兎が、莉織編では夷月が主人公となり、それぞれ別々の視点で物語が進んでいきます。

これの面白いところは、共通したイベントにおいて、もう一人の主人公とヒロインがどういう行動を取っていたか、というのがわかるんですね。

また、CloverHeart'sが作品的に「重い」とされる原因の一つに

必ず派生エンド、もしくはBADエンドを通らないといけない。

というのがあったりします。

これは中々ユニークな試みで、派生エンド、BADエンドのみならず各章が終わるとアイテムをゲットします。
そのアイテムをゲットしないと、回想シーンやイベントCGモードが開放されないんですよね。

そのおかげで、ほぼ強制的に全ての選択肢を選ぶことになる訳です。

また、CloverHeart'sは双子と双子の物語がメインであるので、基本的にメインヒロインが御子柴姉妹であり、榊円華や駒宮ちまりはサブヒロイン扱いとなります。
必然的に彼女たちのルートは短くなり、玲亜や莉織がメインとなる訳です。

個人的に、CloverHeart'sの一番の売りはここにあると思います。
第一章で恋人関係となり、そこから第四章までその関係が続くことにより、一般的なエロゲよりも長くヒロインとのいちゃラブを描くことが可能となるのです。
章も四つあり、起承転結と上手く分けられるのもポイントです。

メインのヒロインを二人に絞ることで、作品のテーマを伝えやすくしている点も、CloverHeart'sの大きな特徴と考えられます。

ありとあらゆる面で、CloverDay'sとは大きく違います。

「原点に返る」

という言葉をイベントか何かで聞きましたが、残念なことにプレイし終えた今ではいったいどの辺りのことを言っているのか僕にはわかりません。

シナリオに関しても、CloverHeart'sに比する重さというのが殆ど感じられませんでした。
それに関しては、そもそもCloverDay'sでは主人公の優人は孤児という設定があるものの、家庭的には遥かに恵まれているのだから、スタート地点からして重みが違うんですよね。

それでも、展開次第ではもっと重い流れにできたと思うのですが、主人公の育ちの良さとか、何よりも父である義臣が非常に良き父親であったことでその機会を失ったように思えます。

泉ルートでは、西園寺グループのトップの娘である泉との交際というのは、将来鷹倉グループを継ぐのであれば社会的な影響も大きい筈。その辺の話も一切なく、また優人が入り婿同然の扱いになっているのも気になりました。
また、泉は父親のこともあれだけ嫌っていた割に事実をしってすんなり和睦してる為、重みを感じられない原因の一つでしたね。

つばめルートでは思ったような演技が出来ずに慟哭するつばめのシーンは非常に良かったものの、その後の泉とのやりとりに関しては目新しい展開はなく、こちらも重みは感じられませんでした。

ヒカル、ヘキルルートも同様で、ヒカルの葛藤などはよかったものの、やはり後半では目新しい部分がなく、重みも感じられずじまい。

杏鈴ルートでは辛うじて妊娠騒ぎがあったものの、再び空騒ぎというオチ。
他のルートよりも家族の話が強いですが、杏璃とのぶつかり合いのシーンが最大の山場と言っても過言ではなく、最終的に優人の母親である紫苑に物語がシフトしてしまったように感じられ、どうにも盛り上がりに欠けます。
というか、10年も一緒にいて誰も紫苑さんと優人が似てるという事に気が付かないというのもなんだかなぁと。

杏璃ルートも、やはり大人たちが良い人過ぎて、せっかく重い話になるかと期待したにも関わらず、あっさりと終わってしまい残念です。

杏鈴、杏璃ルート共に義妹との恋人関係に至るまでの過程や、その描写は非常に良かったのに、最終的に物語の重さが中途半端になってしまった為、肩透かしを食らったような感じでした。

その他音声バグや、Hシーンで脱いでいた筈のスカートが次のシーンで復活していたり、細かい部分で残念な点が多かったように思えます。

これでは到底、CloverHeart'sを超えるというのは無理な話でしょう。
正直なところ、鬼ごっこ!の灯ルートやFairChildの悠姫ルートなどの方が遥かに重みがあって読み応えがありました。

時代の流れとは言え、もっとシナリオを重くしても良かったのではないでしょうか。

BADエンドが受け入れられない、重いシナリオを受け入れられないというユーザーは少なからずいるかと思います。
特に、新本三部作から入った新規ユーザーからしてみれば、軽くてノリのいいシナリオがALcotであると思っているのも多いのかもしれません。
ですが、この中途半端さでは逆効果だったように感じます。

いくら続編じゃないと言ったところで、「Clover」の名を冠するということは、今までの作品とは違い、直接的に「CloverHeart's」と対比されるということです。


ヒロインとの密度。
物語の方向性、密度。

殆どすべての点において、CloverHeart'sを超えられる要素はありませんでした。


発表された時に懸念した通りの結果になってしまい、非常に残念でなりません。


これ以上書き続けても恐らくグダグダになると思うので、今回はこの辺で終わりにします。

今回は「どうしてCloverHeart'sを超えられなかったか」という話でしたが、次回は「どうして御子柴玲亜を超えられなかったか」について書きたいと思います。


尤も、次回があればの話ですが(

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